2025年10月11日土曜日

棟方志功流お茶の楽しみ

 

大阪日本民芸館では、秋季特別展「棟方志功と福光の風景ー交歓の日々よりー」が開催中です。

福光は、今の富山県の南砺市になります。
版画家の棟方志功は、1945年から1951年戦中戦後に福光に疎開していたそうで、この時期の福光を題材とした作品が、今回集められています。

それに伴い、棟方志功研究家の石井頼子さんによる茶話会「棟方志功流お茶の楽しみ」に参加してきました。

石井頼子さんは、棟方志功の初孫で、一緒に住んでいた時期もあるそうです。
棟方志功は、お茶を日常的に気軽に楽しんでいたそうです。

セミナー室には、秋のお茶会のしつらえがしてあります。

花入「白地草花絵扁壷」(河井寛次郎)

呉須合子(河井寛次郎)

茶杓(黒田辰秋)

床 書「いろは」(棟方志功)

一服目のお菓子は、富山の「三国一最中」です。
亀甲の形で、大納言小豆・てぼう豆・白小豆の三種の餡が入っています。

菓子「三国一最中」(右の紙はクジ)

今回6人の参加者で、くじを引き、その順番で器を選び、お茶を点てていただきます。
写真を撮り忘れましたが、くじが入っている蓋付きの器は河井寛次郎の作でした。

私は最後から2番目にくじを引き、①の数字を引き当てたので、一番の権利を得ました!

10客ある中から一つ選ぶのですが、私は迷いなく目にとまったこちらの器を選びました。
こちらは濱田庄司が器を作り、棟方志功が絵付けしたものです。

濱田庄司/棟方志功絵付茶碗

石井さんがお茶を点ててくれている間、それぞれの器に関するエピソードを話してくださいます。

茶碗(河井寛次郎)

ピントがあっていませんが、きれいなブルーの平茶碗です。
(夏に用いられるので夏茶碗とも呼ばれます)

ここからが二服目です。
先ほどの順番とは逆からはじまり、また器を選ぶことができます。

菓子は干菓子で、富山県の「瓦煎餅」です。

菓子「瓦煎餅」/饅頭皿(濱田庄司)


無地刷毛目茶碗(李朝時代)

よく見ると金継ぎを施しています。


菓子器 辰砂絵付陶板(河井寛次郎)

最後は、番茶と塩っ気のある「しろえび煎餅」が出され、お開きとなりました。

菓子「白えびせんべい」

1時間の茶話会はあっという間で、博物館級の器でお茶をいただくという、とても貴重で贅沢な時間を過ごしました。

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